いつか遠くへ行きましょう

 

いつか遠くへ行きましょう

 

アンとリー・ミンの気持ちは離れがたく結びついていきます。

「いつかこの家を出て、遠くへ行きましょう」とリー・ミン。

「無理よ」とアン。

「私がいなくなったら、父は死んでしまう」

教授には心臓の宿痾があります。

「離れられない?」

「この植物園もね」

父親を捨て、植物園も捨てる。

そんな情のないことも無責任なこともできるアンではない。

わかっているだけに、リー・ミンは黙らざるをえない。

 

〜「中国の植物学者の娘たち」〜

 

 

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