2か月後
父教授と、娘のアンと嫁のリー・ミンの3人だけになって2か月。
「アヒルの脚は売ってないのか。ここ数週間、食べていない」
揚げたアヒルの脚は教授の大好物。それが食卓にのぼらない。
「リー・ミンが嫌いなの」とアン。
教授は露天で、一人寂しくアヒルの脚をかじる。
ある日「父さん」明るい声で
アンがリー・ミンと手をつないで買い物から帰ってきた。
「新聞は?」「あ、忘れちゃった」
「昨日は牛乳を忘れ、今日は新聞。何を考えている。家の中が目茶苦茶だ」
娘たちは父どころではない。楽しくて仕方ない。
教授が腹ただしげに扉を閉めても意に介せず。形勢逆転です。
〜「中国の植物学者の娘たち」〜