「僕は涙を流しすぎた」
ヴェルレーヌは妻にランボーの詩を読んで聞かせる。
「僕は涙を流しすぎた 悲しい朝を見すぎた」
「私はあなたの詩が好きよ。こんな詩、わからないわ」
マチルダは正直にそう思う。
彼女はランボーが天才かもしれないが、
本質的にアウトサイダーであることを直感でわかっています。
そんな男の詩より、平凡かもしれないが、
わかりやすい叙情的な夫の詩がいい。
「いや、新しい詩なのだ」と夫は評価する。
夫が魔物に取り憑かれはしないか、マチルダは不安でした。
〜「太陽と月に背いて」〜