結婚もしていないのね
叔父の家の晩餐会にロニートは招かれる。
「私が行ってもいいのかしら」「僕の家の客人として、だ」
ドヴィッドの口調にはどこまでもよそ者扱いがある。
多分気の小さな人なのね。
皆が敬遠する勘当者と仲良くなんかしていたら、
自分まで同じに見られる、だから意識的に距離をとっています。
晩餐会の出席者にゴールドファーザー夫人という嫌味な女がいて
ロニートに「結婚もしてないのね。一人で年をとる気?
結婚することこそ正しい道よ」誇らしく言います。何しろ孫34人です。
「正しい道? 制度の押し付けじゃなくて?」ロニートが切り返す。
「結婚して愛のない10年を過ごせば自殺したくなるに決まっている」
一同、非難の視線、でもやり返されるのが怖いから沈黙。