彼女を愛していて、できれば…
飲みに入ったバーのジュークボックスで、タリーが1曲選んでかける。
「信じられない。これ大好き」マーロの顔が輝く。
「だからかけたの」
「いつもヴァイとこの曲を聴いていた。
彼女とは昔、一緒に住んでいたの。私たちの曲だった。
彼女を愛していて、できれば…」
その恋愛がうまくいかなかったことをタリーは知っている。
ヴァイとはレストランで偶然出産前のマーロにあった女性です。
マーロが彼女に感じ続けてきた懐かしさが、彼女にはもうなかった。
なんでも見通す存在のタリーは
マーロの心にまだ根を張っている過去の亡霊からも
解放してやりたいと思うのです。
〜「タリーと私の秘密の時間」〜