パパはやさしい人よ
お酒を飲まないテルマが、講義中チラッとバッグの中のワインを見せる。
アンニャとその夜は二人だけの飲み会。
「パパが私の手をろうそくにかざした。熱かった。
地獄はいつもこうだと、パパが言った」
「冗談よね」
「ホントよ。パパはやさしい人よ」
「なんでも父親に話すの?」アンニャにしたら異常だ。
テルマは楽しそうに、ワインをあけ、笑い、初めての解放を感じる。
何かいいかけあわてて口を閉じた。
アンニャが目ざとく「何なの?」 何なのでしょうね。
〜「テルマ」〜