踊りましょう、楽しいですよ

 

踊りましょう、楽しいですよ

 

眠っている女王にアブゲイルが近づく。

「踊りましょう、陛下、楽しいですよ」

肥満で、痛風で、足腰の弱い女王は本気にしない。

相手にしないでいたが

「一緒に踊りたいのです」

アビゲイルは女王をいたわり、痛む脚をかばいながら立たせる。

晴れやかな笑顔。女王、その気になる。

軽いステップで、ゆっくりと。

女王は踊る。楽しそうだ。

サラが入ってくる。本来なら凍りつく空気だが、アビゲイルは

毫も曇りのない赤心で迎える。サラは叱ることもできない。

 

 

(〜「女王陛下のお気に入り 」〜 )

 

 

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