眠りなさい。安らかに
全力で走るフィアマに喘息の発作が出た。
ゼイゼイと息切れし、ついに倒れる。様子が変だ。
そこへエヴァ先生が駆けつけた。
「私に任せて。あなたたちは誰か呼んできて」
再び二人きりになった。
「私に任せて。何も心配しなくていい。私がついている」
フィアマはかすむ意識の下で「お願い、やめて」
先生の真意がわかった。呼吸器がすぐ手元に落ちている。
それをとってほしい。でも先生はとってくれない。
「私の可愛い子。あなたは美しい。
この世にふさわしくないほどに。眠りなさい。安らかに」
死のささやきです。フィアマの苦しそうな呼吸が熄みました。