あの女を一瞬も忘れなかった
南フランス刑務所通り。
ブラック・タイが出所しました。バスを降り、迎えの車を待っている。
「シャバの空気はうまいな」
監獄に入った時と同じ服を着ています。白シャツにべっとり血の跡が。
でもおかしい。みょうに血が赤すぎる。昨日ついた血みたいです。
迎えの相棒に「あの女のことを一瞬たりとも忘れたことはない。
この7年間、復讐を誓って生きてきた」
そうか。ダイヤ強奪から7年たったのね。
ブラック・タイは街角でポスターを見かける。
ハリーが特ダネしたアメリカ大使夫人、ロールだ。
ブラック・タイが促す「あれを見ろ。あいつだ」