あなたが救った街よ
ジョーンは廃人のようになったチューリングに語りかけます。
「私は手に入れた。仕事も夫も普通の暮らしも。
でもあなたのしたことは普通の人にはできないわ。
今朝私は消滅したかもしれない街の電車に乗った。あなたが救った街よ。
死んでいたかもしれない男から切符を買った。あなたが救った人よ」
自分の言葉が伝わっているかどうか、聞き取れているかどうかさえ
わからないチューリングにジョーンは切々と話しかける。
(「イミテーション・ゲーム/ エニグマと天才数学者の秘密」 )