ノドボトケ

ノドボトケ

 

祭りの日です。

「別れが悲しいわ」とキャロル・アン。

「じつは…」とヴィーダ。

「あなたが村に来たとき、ノドボトケに気づいたわ。女にはないわ」

「知っていたの?」

「ええ。女性の親友ができてうれしいわ」

知っていても言わなかった、そして自分をきちんと女性扱いしてくれた。

ヴィーダはキャロル・アンの奥のあるやさしさにグッときます。

そこへ形相もすさまじくやってきたのが例の保安官。

「ここに変態3人組がいるはずだ。生け捕りにしてやる。匿うと許さん」

穏やかな田舎の住民は怯えきった。

ヴィーダもノグジーマもチチも家に引っ込んだ。

「奴らは堕落の元凶だ。汚染されるぞ。誰の靴だ」

高々と掲げたのは、逃走するとき、ヴィーダの足から脱げた靴。

「前に出ろ!」

広場からはみな姿を消してしまった。

 

(「 3人のエンジェル」 )

 

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