弱虫よ!

弱虫よ!

 

遺書の文面を、ヘディの指示に従いながらアニーは

「こんなの私じゃない。誰も信じない。私は弱虫じゃない」

言下にヘディは決めつけます。

「弱虫よ。孤独を死ぬほど恐れていたわ」

ヘディはアニーと一体化を夢見ていました。

アニーは自分で、自分はアニーだと。

だから孤独を恐れているのはヘディなのです。

疑り深いし、人が変わったように言葉遣いも乱暴になるし、それでいて

何もかも知っているみたいに頭はいいし、

きっと友だちもできにくかったと思うのです。

孤独に弱かった自分を巧みに隠していましたが。

(「ルームメイト 」 )

 

bn_charm