帰ったのかと思った

帰ったのかと思った

 

ふと気がつくとママも弟もいない。

ジョニは不安になる。部屋の外に出てあちこち視線を巡らす。

見当たらない。

「ここよ。車を移動していたの」

(ああ、いたのだ)ホッとする。

「帰ったのかと思った」

「黙って帰るはず、ないでしょう」

ママたちは前のシートにいて、手をつないでいた。娘は安心する。

「じゃあね」。監督はあっさりママたちに別れを告げさせる。

描くべきことは描いた、あとはまた別の物語になる、というふうに。

この映画は圧倒的な社会の支持を受け、アカデミー賞作品賞、

主演女優賞(アネット・ベニング)、助演男優賞(マーク・ラファロ)、脚本賞(リサ・チョロデンコ、スチュアート・ブルムバーグ)に

ノミネートされました。

 

(「キッズ・オールライト 」 )

 

bn_charm