なぜ俺ばかり責めるんだ!

なぜ俺ばかり責めるんだ!

 

とうとう兄貴の不満が爆発する。

みなルイの肩ばかり持って、「なぜ俺ばかり責めるんだ!」

弟に殴りかかろうとし、かろうじて止められる。

ハラハラ見守っている女性たちにルイは

「次は大丈夫だから」

次なんてないのにそう言います。

ルイは生きる気力を喪失していますから、態度、振る舞い、言葉、

全く活力がない。

不思議なのですけど、ルイの異様なまでの失活を誰もおかしいと

思わないのでしょうか。

このあたりがね〜、グザヴィエ監督の「作りすぎ」だと思うの。

彼の才能からしたらなんでも言葉でこしらえられるでしょうけど、

ごく普通の家族なら、どこの家族にもある当たり前の、平凡な

「気づき」とか「カン」ってものが薄いのよ。

 

(「たかが世界の終わり」 )

 

bn_charm