私たちなりに兄さんを賞賛してる

私たちなりに兄さんを賞賛してる

 

妹のシュザンヌにとってルイは憧れです。

でも子供の頃に彼が家を出たから、具体的には何も知らない。

情報といえば、新聞で読んだり、舞台化された劇をみたり、だったのでしょう。

でも12年間、一度も帰ってこなかった兄に不満もある。

「兄さんは才能に恵まれている。でも私たちのために生かしていない。

他人のためよ」

この妹も手厳しいですね。とにかくルイは家の中で四面楚歌です。

ルイにはどこかに(理解してほしい、わかってほしい)という

人頼みがあって、あくまで受け身です。自分から踏み出せない。

ルイのミステリアス、兄貴の偽悪者ぶりが絡みあう。

 

(「たかが世界の終わり」 )

 

bn_charm