まず君を消す
愛人候補や知人、友人に招待状を送ったビリティス。
パーティの日に彼らが集う。
「メリッサは素敵ね。でも何のパーティ?」
女友だちは首をかしげる。
ニキアスが来た。踊っているメリッサを見つめる。
(どう?)というふうにビリティスが近づく。
「彼女に惚れたらまず君を消す」とニキアス。
このセリフが本作のキモだと思えるのです。
ニキアスはゲイです。独特のカンで、メリッサの愛している相手は
ビリティスだとピンとくる。
もしメリッサに惚れたら、ビリティスは最大のライバルだ。
だから「君を殺すのさ」
ハミルトンはメリッサに、ビリティスとの関係を「一度きり」だと
拒否させていますが、それは諸般の事情による、やんごとなき措置で、
心の中まで否定できない、そう描きたかったのがこのシーンです。
ニキアスを登場させたのは、メリッサの意識の底を解き明かすためです。