もはや殉死だね

もはや殉死だね

 

ジャスミンがニューヨークに栄転する話があったが、

彼のために「私が犠牲になった」というと、ダラスが

「もはや殉死だね」

ひどい、と思うが当たっているだけにジャスミンは怒れない。

ダラスの過去はつまびらかには語られませんが、

男を屁とも思っていないのは確かだけど、それは男と競うことでもなさそうだ。

競うことではないといっても、

譲ることでも、いわんや犠牲になることでもないらしい。

ダラスにはどうも、男嫌いとか、女嫌いとか、ジェンダーの範疇でくくれない

世界観があるらしい、ジャスミンにはそう思えてきます。

 

(「アンダー・ハー・マウス」 )

 

bn_charm