すべてが汚れる

すべてが汚れる

 

ベッドで迫るモーリスに「そういうことをすると汚れる感じがする」

え、え〜? 

「すべてが汚れる。この調和も、肉体も、精神も魂も…女にはわからない」

女でなくてもわからないと思うけど。

クライヴはモーリスに「でも君にはわかる」

お言葉ですが、モーリスだってわからなかったですよ。

モーリスはもうがっくり。講義には出ない、礼拝にも出ない、翻訳のクラスにも出ない。

ついに教授から引導を渡され休学処分。「株の仲介人にでもなるさ」

クライヴは「ペンダースレーへ来いよ」と招く。

ペンダースレーは彼のお屋敷のある自領です。

広大な敷地にある典雅にして豪壮な館。歴史ある内装に家具、絵画。

これじゃなあ。踏み込んだら刑務所行きの関係に、

クライヴが言を左右してビビってしまうの、無理ないのかしら。

 

(「モーリス」 )

 

bn_charm