わたしの電話に出ないで!
翌朝。ローレルの簡素な部屋でステイシーが手持ちぶさたにしている。
電話が鳴った。
「ローレル、電話だよ」
キッチンにいるらしい。
電話に出ようとするとローレルが飛んできてひったくる。
「わたしの電話に出ないで!」
えらい剣幕にステイシーはびっくり。
「大事なことなの。警察じゃ女は出世できない。ゲイなんて論外」
自分の存在をあくまで隠そうとするローレルにステイシーはしらける。
ローレルは送るどころか、仕事がたまっているから帰れという。
バターン! 思い切りドアを閉めて出て行く。
まだまだコドモです。
ローレルが苦労して築いてきた今の社会的立場も地位もわからない。
ローレルはでもちょっとアホっぽいステイシーが可愛いらしい。
「芸は思案の外」っていうけど、「恋も思案の外」ね。