好きなだけ、いていいわ

好きなだけ、いていいわ

 

バーバラは退職しました。謹慎中のシーバの家を訪ねます。

離れのアトリエにこもっています。夫のリチャードは剣のある目でバーバラを見ます。

バーバラも夫にかまわず、さっさと離れへ。

出会い頭に娘が「疫病神がきたわ!」

「口を慎みなさい!」とバーバラ。

シーバはすっかり元気がない。

「退職は気の毒だったわ」と謝り、

「リチャードがしばらく考えたいから出て行けというの。

断ってくれてもいいけど、数日泊めてもらえる?」

バーバラは心の中で諸手を上げたに違いない。

夢見た日が来た!シーバと一緒に暮らすのだ、たとえ数日でも。

バーバラは歓喜をおくびにも出さず静かに答える。「好きなだけ、いていいわ」

このやさしさ、悪魔的だわ〜。

 

(「あるスキャンダルの覚え書き」)

 

 

bn_charm