シーバに孤独の何がわかる
「キリストを裏切ったユダは後悔して首を吊った、そう記したのは
使徒の中で最も感傷的なマタイだけ」とバーバラはうそぶく。
つまり、彼女にとっては裏切りなど屁でもないってことね。
でもこのあと続く彼女の呪詛は、バーバラの孤独の深さを
絶望的なまでに示します。
「シーバみたいな人間に孤独の何がわかる。一滴、また一滴と
したたり落ちるような、気が遠くなるような無限の孤独など。
コインランドリーに行く以外なにも予定のない週末。だれにも
さわられたことのない体。バスの運転手と手が触れただけでも、
下腹部が熱く疼く」
シーバは、確かに落ち度はあったものの、相手が悪かったわ。
ホモサピエンス最強よ。