続いているならなお不幸さ
ゲイの芸術家たちがたむろするミュリエルの酒場。
女主人ミュリエルが誰あろう、ティルダ・スウィントン。
客に遠慮なく食ってかかり、彼女の毒舌と客の応酬で
店はいつも騒々しい。
「人の色恋にケチばかりつけていると、墓穴を掘るよ」と
ミュリエル。
「不幸なオカマの恋人たちをあんたの番組に呼ぶといい」と
誰かがやり返し、すかさずどこからか「不幸とは限らない」
ベイコンが「続いているならなお不幸さ。それが愛だろ」
身も蓋もありません。
ティルダは大きなお腹を抱え、カウンターの端に座って
しどけなく壁にもたれ、誰彼なく噛み付く。
とっさにはティルダと見分けのつかない奇妙なメーク、
入れ歯で歯をむき出し、別人になっています。
今さら驚きませんが。