私はランチも自分で決められなくて

私はランチも自分で決められなくて

Well, I barely even know what to order for lunch.

 

結婚は決めていないと答えるテレーズ。

キャロルは目を伏せ、不意に黙り込む。テレーズは戸惑う。

キャロルが時々行きくれたように見せる喪失感が、

最後までテレーズを苦しめます。

自分の言うことを聞いているのかいないのか、上の空。

何かに気をとられ、私のことなんかどうでもいいみたい。

それがひいては、キャロルのやさしさは見せかけだけで、

自分をもてあそんでいるだけではないか、

本気で愛してなんかいない、

そんな不安が心の底にあって、旅先でキャロルがテレーズを

置いて去ったときは、

やっぱりキャロルはじめから自分なんか、

相手にしていなかったのだと、気が狂うほど悲しむ。

テレーズが、理由はわからないけれど、キャロルにある

深い喪失感に初めて気づくのがこのシーンです。

 

(「誘惑者キャロル」)

 

 

bn_charm