わたしは人を殺したのよ!

わたしは人を殺したのよ!

 

セルビーが収入のあてがなくなったアイリーンに

「なぜ娼婦をやめたの?」と訊きます。残酷な質問です。

「パーティーをするといって、パーティーもしない。

お腹が空いても何もくれない」

アイリーンは「許して」というのです。どこまで優しいのか。

「あなた、わたしを利用する気ね」とセルビーは居丈高にいう。

「セルビー。わたしは人を殺したのよ!」

アイリーンは初めて打ち明けます。

「最後の男にレイプされ殺されかけた、でもあんたはなにも知らず

わたしを待っているはず。あんたのところに行きたくて、

あんたに愛されずに死にたくなかった。だから殺した。私はこんな人間よ。

失望させて悪かったわね。さっさと消えな!」

振り絞るような告白は、セルビーのエゴをこっぱみじんにします。

 

(「モンスター」)

 

 

bn_charm