放っておいて、一人にして!

 

放っておいて、一人にして!

宮廷からはわれ先に脱出組が相次いでいる。

王妃も王に進言したが王は宮廷を離れない。

判断の遅れが命取りになりました。

王妃は愛人ポリニャック夫人を逃亡させると決めたが、

自分が取り残される寂しさに泣き伏す。

シドニーは「できるだけ王妃のそばに」とどこにも行こうとしない。

シドニーは娘盛りです。

朗読以外にも楽しみはあるでしょうに、彼女が話すのは王妃のことばかり。

出身地は? 両親は生きているの? 誰も知りません。

シドニーの世界は王妃でした。

 

(「マリー・アントワネットに別れをつげて」)

 

 

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