悪は自然である
アデルは悲しくて教室に戻っても泣いています。
ちょうど国語(フランス語)の時間、ポンジュが例題に出ていた。
先生が「ポンジュのいう、病的なためらいとは何かな、ルイ」
「はい。重力自体が悪であり、抗えないといっています。
カトリックでは、悪は抑制し、拒絶すべきものですが、彼はすべての
自然は悪であり、悪は自然であると」
ポンジュとはフランスの詩人。長い詩歴にもかかわらず無名でしたが、
1942年発表の「物の見方」をサルトルが認め、一躍文名を上げました。
ゲイも「悪」の範疇であったことを思えば、ポンジュは
「抗えないものであり、人間の自然である」といっているわけですね。
アデル、泣いていないでしっかり聞きなさい(笑)