しっかり、サラ

しっかり、サラ

キャサリンはサラ以外の証人を足で探します。
当夜警察に「女性が強姦されている」と通報したテープの記録をキャサリンは何度も聞く。
彼は強姦の現場にいたのだ。現場のどこだろう? 町のさびれた一画にその酒場はある。
キャサリンが入ると男たちの陰気な視線が集中した。サラが強姦されたピンボールの台に行く。得点のデータがビデオに残っていた。一人だけ、聞き覚えのある名前があった。その男性を探し当てたキャサリンは証言を取り付ける。
この裁判はこう報道された。
「判例史上に残る裁判を起こしたキャサリン・マーフィー検事補が、証人と法廷に入ります」
群がるマスコミをよけて入廷、証人は開廷まで待機。
「ここで待つのよ」そういって法廷に入りかけた検事補は、ドアから顔を出していった。
「しっかり、サラ」

(「告発の行方」)