わたしが魂を売る女だとでも!

ウェンディは脚本家です。ギザヴィエが仕事を断ったとわかる。

「脚本料が高いのに断るの?」「くだらなさすぎて書く気がしない」

へえ…妻は面白くない。

「わたしだってお金のために書くことはあるわ」

「君にはできるさ、僕には無理だ」

「何よ、わたしが魂を売る女だとでも?」

グザヴィエは慌ててい直すがウェンディは完全に切れる。

(お前の小説こそなんだ)と腹の中で叫んでいる。

同業者の夫婦って、やりにくいこと、確かにありますけどね。

(「ニューヨークの巴里夫」)