キャロル20160517_2

 

「ここ? ウォータールーよ。ひどい名前ね」

ベッドに肘をついたテレーズが、
窓辺に立ち外を見ているキャロルに訊く。
「なんていう町だっけ?」
キャロルは振り向き、微笑む。
「ここ? ウォータールーよ。ひどい名前ね」
ウォータールーには「挫折、失敗」の意味があります。
まさにふたりの運命は、至福に包まれた夜と、
そして迎えた初めての朝から一挙に暗転します。

(「キャロル」)