オルランド20160421

 

「わたしはひとりに溶け合った」

「オルランド」の締めは上のセリフ。
男と女という枠に縛られないオルランドはどうなったのか。
「彼は400年を生き、
1日たりとも老いていなかった。
背はスラリと高く、
育ちはよく、
現代の女性が憧れる両性的魅力を持っていた」
そう。オルランドとはウルフの美しい夢だったのね。
現代のオルランドは木の下で憩い、
幼い娘を見て涙ぐみ、
自分の隔絶された運命を思う。
「わたしは男でもなく、女でもなく、ひとりに溶け合った。
地球にもいて、同時に宇宙にも存在する。
この世に生まれ、同時に死を迎えている」

(「オルランド」)