週末はマンガでエンジョイ!ーRikiのおすすめコミックー

樹村みのり『海辺のカイン』月間『mimi』(講談社)1980年6月~1981年3月号に連載。

講談社コミックスmimi全1巻
 
 
母子の問題、ジェンダー、レズビアンーテーマの重さに漫画の在り方の底知れない深さを今更ながらに感じる。
 
ファッションデザイナーの佐野と展子は海辺の町で初めて出逢い、同じ町で暮らすようになる。母に愛されていないという展子はスカートがはけない。佐野に苦悩を聞いてもらうにつれ、展子は佐野を慕っていく。
 
この漫画を読んだのは中学時代のことだから、衝撃的な内容に感じるところまで自分は成長してなかったように思う。それでも記憶に残っていてこれを機会に読み返して、
その内容に改めて樹村みのりの問題意識の高さに触れた気がする。
人と人が出会うことー親子の関係も、男と女の関係も、また、女と女の関係も、自分と出会うことに至る。大円団はない。読み終わった後から、始まっていく作品である。