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「なぜ、橋本市が?という意見もいただきますよ」と微笑む、橋本市市民生活部 人権・男女共同推進室の平田麻里主任にお話を聞きました。同市のマスコットキャラクター「はしぼう」にレインボーフラッグを持たせたり、市庁の多目的トイレにレインボーのシールを貼ったり。「できることから取り組もうと思って」と気負わず取り組まれている姿がとても印象的です。

 

 平田さんが男女共同参画の担当になったのは、H25年。翌年に受けた人権啓発指導者養成研修会が、LGBT問題に取り組むきっかけとなりました。「LGBTも働きやすい職場とは」と題したNPO法人虹色ダイバーシティの村木真紀氏の講演で「『LGBTについては男女共同参画とともに進めていってほしい』と言われたのです」。それまでLGBTについての知識がなかったという平田さんですが、「困っている人がいるならどうにかしなくては」と必要性を感じ、市に持ち帰って桜井誠室長に相談しました。

 

 早速「LGBT」を、H27年度の橋本市の全職員向け人権研修のテーマに選定し、虹色ダイバーシティの小林和香氏を招聘。平田主任が村木氏の講演で心に残った言葉、「ゲイ、レズビアン、トランスジェンダーなどの言葉は恥ずかしいものではないこと」や「無意識に傷つける言葉を投げかけているかもしれないこと」などを講演内容に盛り込んでもらいました。セミナーは2日間開催され、参加した800人の職員は熱心に聞き入っていたといいます。

 

 また「橋本市男女共同参画推進条例」(平成27年10月施行)の条文の中に、「性的指向」(異性愛、同性愛、両性愛、無性愛など)や「性自認」(生物学的な性別にかかわらず、自分で認識している性別のあり方)、「教育関係者の責務」(子どもの頃から男女共同参画について教えることの大切さ)などを盛り込みました。
 「当初は市民の反応も気になりましたが、事前に市のホームページに寄せられたパブリックコメントには『素晴らしい』と好意的な意見が多かったですね」。

 

 今後は、法的に性別欄が必要ない書類について、性別欄の削除などを検討していく予定です。
 「活動をしていても、まだLGBTの人ってテレビの中の人、外国の話と思っている人が多く、正しく理解されていないと感じます。職場や学校などに身近にいるはずですから、先ずは広く知ってもらうことから始めたいと思います。こうした取り組みが全国の自治体に広がり、特別な配慮をしなくてもいい社会になればと思います」。

 

橋本市ホームページ