「ぼくを愛しているか?」
「ぼくを愛しているか」とランボーが聞く。
「もちろん」とヴェルレーヌ。
「では手を卓の上に。てのひらを上にむけて」
その通りにすると、ランボーはナイフをヴェルレーヌのてのひらに突き刺す。
ふたりが初めてあったとき、ヴェルレーヌはアブサンを注文した。
きれいな緑色だ。
「こうして飲むんだ」と火で氷を溶かした。
イザベラが辞したあと、ヴェルレーヌは再び「アブサン2」を注文し、自分の向いの席に置かせる。
幻のランボーが「ぼくを愛しているか?」と聞く。
「君が好きだよ」「てのひらを卓に」ランボーは微笑み、ナイフではなく唇でヴェルレーヌの手のひらにふれる。