キャロル20160308

 

「消さないで、あなたを見たい」

全編の白眉はこのラブシーンだとしても異論の方は少ないと思われます。
自分が愛されていないのではないか、キャロルは自分をもてあそんでいるだけではないか、いつか自分を棄てるのではないか、そんな不安からどうしても自由になれなかったテレーズが、キャロルの愛を確信し、大胆にアプローチするのがこの夜。
「ベッドへ」そしてあかりは「消さないで」とはっきり要求する。
このシーンでキャロルは再びテレーズに「わたしの天使」と呼びかけます。
最初のときはテレーズに対する好奇心だった。
二度目のこのときは慈しみに満ちています。

(「キャロル」)