週末はマンガでエンジョイ!ーRikiのおすすめコミックー
手塚治虫『どろろ』手塚治虫漫画全集より

物語の主人公百鬼丸は魔神に身体のほとんどの部分を奪われて生まれてくる。天下を取りたいと願う百鬼丸の父と魔神との契約である。一匹の妖怪を倒せば奪われた部分がひとつもどってくる。「どろろ」というかけがえのない相棒と出逢い、本来の姿を取り返すために妖怪退治の旅を続ける。

陰惨であり、暗く、差別的だとの批判もある作品ではあるが、手塚の作品の中で『どろろ』はもっとも好きな作品である。どんなに痛めつけられてもくじけない「どろろ」の生命力こそが、百鬼丸の生きる力になっていく。作品の底流に流れるものは生命の尊厳であると感じる。

妻夫木聡と柴咲コウの主演で実写映画版が2007年に公開されている。