「108羽」
植物学者の父を持つアンは20歳。
住まいでもある広大な植物園に、実習生としてリーが来ます。2歳で両親を亡くしたリーと、早くに母親を失ったアンは、心を通わせ合う。
父教授は、リーを息子の嫁にと決める。
失意のあまり家出したアンをリーが迎えに行く。
アンが寄寓していたお寺では、鳩を空に放つと願い事がかなう言い伝えがあった。
「一生愛しあうためには何羽の鳩を?」
「64羽」
「一生離れないためには?」
「108羽」。
アンとリーは108羽の鳩を放つ。
ふたりが「同性愛は死刑」の判決を受けたときは、切なさを通り越し怒りで煮えくり返った。