オール・アバウト・マイ・マザー20151130

 

「女はみな潜在的にレスビアンよ」

おもしろいことに「男はみな潜在的にゲイよ」とは、アルモドバル監督は主人公にいわせていないのですね。彼がこの映画の中で女同士によせる理解と共感は、かぎりなくやさしく、慈しむ視線です。エイズや暴力や、死や、差別もきちんと描かれているのですが、助けあって生きる女たちが力強く、美しい。そういえば監督は「男同士の助け合いなんて見たことがない」とインタビューで断言していました。きっぱりと。

(「オール・アバウト・マイ・マザー」)