風当りの強い社会。LGBT差別もセクハラに。
LGBTの7割が学校でいじめを経験していると言われています。未だに理解がないために、親や学校、友達に言えない人が少なくありません。履きたくないスカートや着たくない詰襟を強要される学校の制服もストレスとなります。朝起きたら頭痛がするなど体の不調まで来し、学校に行けなくなって、引きこもりになるケースも珍しくありません。学校を中退することで就職も困難になり、貧困のリスクも高まります。就職できたとしても、職場での差別的言動などにより精神的に病んでしまい、休職する人もたくさんいます。
日本では、同性愛は犯罪ではありませんが、同性間の法的保障がないため、医療・保険・共有財産・相続・葬儀などの“もしもの時”に家族と認められず困ることがでてきます。2004年に「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が施行されましたが性別変更には厳しい要件をクリアしなければなりません。
2008年6月に日本政府は、国連人権理事会からの、性的指向と性自認に基づく差別を撤廃するための措置を講じるよう求める勧告(サブパラグラフ11)を受け入れています。また、2014年に「男女雇用機会均等法」が改正され、同性へのセクハラも対象となっています。指針改定の際の議論において、厚生労働省は、同性愛者や性同一性障害などの性的少数者も指針の対象となるという見解を初めて示しました。しかし、これらの事実を知らない人が多いのが現実です。