胸騒ぎの恋人20151114

 

「ごめん、鍋を火にかけてきたから帰らなきゃ」

アポロのような美青年ニコラに、フランシスとマリーは同時にのぼせる。
フランシスはゲイ、マリーは彼の親友だ。
「君といたら楽しくて仕方ないンだ」とフランシス。
ニコラの返事「ごめん、ぼくはゲイじゃない」
迫るマリーには「ごめん、鍋を火にかけてきたから帰らなきゃ」
お前はわたしより鍋のほうが大事か、よくわかった(笑)。
女は毒気をぬかれ、怒ることもできない。
振られ者同士が仲良くパタゴ傘をさして歩くラスト。
流れるのは「バンバン」。物悲しく、なさけなく、それでいて
明るく、すき透った青春の街角。

(「胸騒ぎの恋人」)