性同一性障害・麻倉ケイトさん「自分らしく生きること」

10月31日に、木津川市立木津中学校(京都府相楽郡)にて、歌手の麻倉ケイトさんを招いて「自分らしく生きること」と題した講演会が開催されました。人権学習に力を入れている同校では、これまでにも「いじめ」、「障害者」、「同和」、「在日コリアン」などをテーマに学習の機会を設けてきました。
今回のテーマは「LGBT」。法律的・社会的に割り当てられた性別とは異なる性別を持つことで、生きづらさを感じている人達を理解するために取り上げられました。

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「事前学習をした時に笑っている子がいました。まず知ることが必要だと思っています。当事者の方と実際に会って、話を聞いて、人権問題として肌で感じてもらいたい」と企画した人権教育部担当の吹ノ戸和美先生。

 

麻倉ケイトさんは、男性の体に生まれましたが、心は女。性同一性障害を周囲に打ち明けられずに29歳になるまで悩み続けました。
「小学校2年生の頃から違和感を感じ始め、小中高、社会に出ても悩み続けました。歌手KEITAとしてデビューしましたが、本来の自分を隠し続けていることで心が晴れませんでした。2009年にカミング・アウトして、女性歌手麻倉ケイトとして再出発。性転換手術を受けて女性の体を手に入れてから、自分が大好きになりました。本当に今は幸せ」と、自分らしく生きることの喜びを語りました。
「悩んでいた頃に投げつけられた心ない言葉は、今でもトラウマになっている。当事者がいても、攻撃しないで欲しい」と訴えるケイトさんの言葉に、生徒たちは真剣に聞き入っていました

 

 講演会終了後、生徒たちからは「当事者がいたら、まわりのサポートが必要だと思った」(生徒会長 森野さん)、「どんな人が来るのかと思ったが実際に会ったら普通の人だった。自然に接することができると思った」(3年生 石崎さん)、「これまで知らなかった。これからは悩んでいる人がいたら助けになりたい」(1年生 男子)などの感想が寄せられました。生徒たちの心に確実に響いたようです。

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西野先生と麻倉ケイトさん

木津川市立木津中学校