同性カップルがパートナーに保険を残すことはできるのでしょうか。
「今後、社会的にニーズが増えると思われますが、現状では難しいですね」と言うのは「保険の扉」奈良本店、木本店長。同性愛者のカップルには、もし自分に何かあった時、家族としてともに支えあって暮らしてきたパートナーが生活していけるのかという心配があります。ところが保険という選択肢はない、というのが現状のようです。ファイナンシャルプランナーでもある木本店長に詳しくお話を聞きました。

 

同性カップルに厳しい現状
同性カップルは法的には「完全な赤の他人」となります。異性カップルの場合、婚姻をしていなかったとしても「内縁状態」が実証されると、相続や夫婦としての権利がある程度認められて、保険の受取人になれる場合もあります。しかし、同性カップルには内縁は全く認められていません。もしパートナーが突然の事故や病気で、面会謝絶に陥った場合でも、家族ではないとして面会することができません。数十年付き添ったパートナーであっても最期を看取ることもできないといった事態が発生します。さらに相続権も全く認められておらず、すべての遺産は親族に分配されます。生命保険も「保険金受取人は2親等以内の親族であること」という原則があるため、同性のパートナーを受取人に指定することはできません。

 

保険の受取人が選べないなんて!
「保険はみなさんに平等であるべきもの」ですから、どなた様でも加入はできます。ただ出口が問題なのです。これまでにお取り扱いをしたお客様の中に、同性愛者の方がおられたかは不明ですが、というのも保険の書類には、同性愛者かどうかを記入する項目はありませんから。保険は前提として戸籍制度の上に成り立っていますので、ご本人の意思に沿わない形で契約していた可能性もありますね。同性のパートナーが保険金の受取人となる確実な方法は、どちらかの両親と養子縁組をして「きょうだい」となる、もしくは当事者同士で養子縁組をして「親子」関係になることです。
私自身は同性愛者に対する偏見はありませんが、まだまだ勉強不足の面もあります。お問い合わせいただければ事例ごとに最大限の対応を考えていきたいと思います。様々なケースが考えられますので、やはり、保険に詳しいファイナンシャルプランナーにご相談されることをお薦めします。

 

保険の扉 奈良本店

TEL0745-78-6815

 

※東京都渋谷区が同性カップルを全国で初めて「結婚に相当する関係」と認定したことを受け、大手の日本生命保険は、同区が発行する証明書があれば、パートナーを保険金の受取人とする方針を固めた。(27.11.01追記)