ゲイ映画のキメ台詞

捕まえろ、抵抗するな

〜「Summer of 85」(41)〜

捕まえろ、抵抗するな   ダヴィドは幻想だったのか。 アレックスは真夜中に、彼の墓の(土の)上で激しく踊ります。 まるで幻想という思いを振り払うように。 虚実混淆する微妙な心のうつろい、 心のひだを掠める繊細で複雑な移ろいに人間の真実はある、 オゾン監督はそう捉えてい...

僕が作った幻想?

〜「Summer of 85」(40)〜

僕が作った幻想?   「私たちが思っていたのとは、彼は別人だったのよ」 「ダヴィドは僕が作った幻想?」 愛する相手だと言っても、必ずしも私たちは 彼や彼女を理解していたとは言えない、 そこには必ず自分の作り上げた想像上の像がある、 と言うのはオゾン監督の持論です。 ...

彼は存在しなかった?

〜「Summer of 85」(39)〜

彼は存在しなかった?   まだ墓の上で踊っていないと悩むアレックスに 「あなたが愛しているのは彼じゃない」とケイトは言う。 「顔と体が好きになって心も理想通りだと期待したのよ」 「彼は存在しなかった? 僕は彼と一緒にいて愛し合った。君も彼と寝ただろ?」 アレックスはま...

何をする、あ、カツラだ

〜「Summer of 85」(37)〜

何をする、あ、カツラだ   ケイトは策を講じ、アレックスに女装させ、 遺体安置所の守衛に、この人は家族だとごまかし 中に入れてもらいます。 寒々とした無機質な安置所には棺が壁面に 嵌め込まれています。 ダヴィドの遺体が引き出された。 アレックスは感極まり、馬乗り...

遺体安置所

〜「Summer of 85」(36)〜

遺体安置所   「親友以上? ごめん、気がつかなくて」とケイト。 「アレックスは君とも寝たから、それでケンカに」 ダヴィドが死んだ今は、過去に何があったとしても 二人はまるで思い出を語り合う戦友みたいになっています。 ダヴィドとの誓いがまだ残っている。 でも母親が遺体...

僕が死ねば彼に会える

〜「Summer of 85」(35)〜

僕が死ねば彼に会える   自分も死ねば彼に会えるという考えに取り憑かれたアレックス。 唯一の自助方法は彼と自分の物語を書くことで昇華することだと 悟ります。 「若きウェルテルの悩み」と同じですね。 「ウェルテル」を自殺させることで 青年ゲーテは自分の自殺を乗り越えた。...

会わせない、絶対に

〜「Summer of 85」(34)〜

会わせない、絶対に   アレックスはダヴィドの幻影を抱きしめます。 「ダヴィドが死ぬはずがない」 虚しい。遺体と対面することも強硬に拒否されます。 「あの子は私が止めるのも聞かずバイクで走って行った。 あの子には本当の友達が必要だった。 会わせないわ。絶対に」 ...

僕のせいだ

〜「Summer of 85」(33)〜

僕のせいだ   「帰って、あなたが殺した」 ゴーマン夫人は息子の事故死の原因は アレックスとの諍いであったと知っています。 彼が息子を殺したのも同然だ。 誰かのせいにしなければ、あまり突然の喪失に 耐えられなかったのでしょう。 アレックスは「僕のせいだ」と自分を...