みんなに話がある
とうとうルイが踏ん切りました。
「みんなに話がある。もっと何度も家に帰るよ。手紙を書く。
もっと長い手紙を。僕たちが失った時間を後悔しているから。
シュザンヌ、うちへ遊びにおいで。
兄さん、一緒に食事しながらさっきの続きを話そう。
たまには仕事を休めるはずだ」
よく言った、ルイ。これだけ言うのも大決心だったけど、やっぱり
いちばん肝心なこと、自分の死は素通りです。
ルイは最後まで、最も辛いことは人に訴えない、
自分の胸ひとつに収めるつもりです。
こうなるともはや、彼の美学ですね。