どうせもう終わりだ

どうせもう終わりだ

 

ルイがしょぼしょぼと「どうせもう終わりだ」

「世界」「終わり」というキーワードが頻繁に使われます。

ルイという男性は、劇作家で、ハンサムで、ゲイで、世に認められた存在。

充分成功した人生でしょう?

たまたまゲイであることが家族に受け入れられなくて、「ゲイ地区」に

身をひそめるようにしてパートナーと暮らしてきた。

ところが彼が死んだ。自分ももうすぐ死ぬ。

最後に家族に会おう。で、帰ってきたわけね。

よくわからないのは、ルイが何を苦しんでいるか、なの。

もしゲイであることが理由なら、母親が言ったように

「あなたを理解できないけど愛している」で、充分でしょう。

みんながみんな、理解しあわないといけないわけじゃなし。

だとしたら彼の苦しみの理由は「もうすぐ死ぬ」こと?

誰だっていつかは死ぬわよ。

 

(「たかが世界の終わり」 )

 

bn_charm