いつの間にか心が平らになる

いつの間にか心が平らになる

 

リンコがトモに「何があっても何を言われても、飲み込んで踏ん張って、

我慢して怒りが通り過ぎるのを待つの」

「通り過ぎないときは?」

「私はこれで」とリンコは編み物を取り上げ

「ちくしょう、ちくしょうって、一目、一目、編んだらいつの間にか

心が平らになる」

リンコの悔しさや怒りを編み物は吸い込んでくれる。

愚痴を言わず黙々と針を動かすリンコは静かな強い人。

トモは編み物がしたくなりました。何を編んでいるの、と訊きます。

 

(「彼らが本気で編むときは、」 )

 

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