イヴ、彼にのめり込むな
「イヴ、彼にのめり込むな」とピエールが忠告する。
サンローランの生活の乱脈を見かねた。嫉妬ではなかったでしょう。
ピエールはパートナーであるとともにブランド「サンローラン」の運営責任者です。
脛に傷のありすぎるサンローランは忠告を黙って聞くしかない。
ピエールはジャックに会い、引導を渡し引き離す。
サンローランはジャックを追慕する。
「ピエールは何をいって君を怯えさせ、姿を消させたのか。僕はこれからも手紙を書くよ。
アリ、クロード、モハメッドに会いたい。僕を初期の光に導くはずのまだ会えぬ者たち」
大事なことは、男たちとの交情は、欲望というより、サンローランが
創作のひらめきをつかむための「光に導く者」と捉えていることです。
彼は極度のスランプにあがいていた。
スタジオは悲鳴をあげていました。「デザインが一点も上がらない!」