私を好きになったせいね

私を好きになったせいね

 

ビリティスはルカに愛人候補の写真を撮らせ、20枚の写真をメリッサに

見せる。メリッサは番号のついた写真を「1」「2」「3」、

一枚一枚脇に退けていきます。

「全員ダメなの?」ビリティスが心配げに訊く。

「19」で手が止まった。ニキアスだ。

「その人はダメよ。一人がいいのだって。残念ね」

メリッサはビリティスが不憫になる。

「私を好きになったせいね」

ビリティスはメリッサにもたれてつぶやく。「仕方ないよ」

この映画の全篇に蒼い諦観が立ち込めています。

不実な夫との生活を受け入れるメリッサ。メリッサを愛し、

どうにもならない愛の行方を、流れに任せるビリティス。

(「ビリティス」 )

 

bn_charm