一緒に寝てるの?
南仏の海辺にあるメリッサの実家は典雅な12世紀の豪邸。
敷地内に牧場と乗馬練習場がある広大な敷地。
とにかくメリッサは態度物腰、何をとっても優雅。
ひきかえ夫のピエールは…
ビリティスはどうしてもピエールが好きになれない。
「一緒に寝てるの?」とメリッサに訊く。
「そうよ。変なこと訊くのね」
この答えもビリティスは気に入らない。
ビリティスが夜中に一人、大木に登って冷たい木肌に脚を押し当てる。
わがままで純真、無垢にして奸智、女にして男。
性差の垣根がまだ曖昧な思春期の少女の揺らぎが、
ビリティスの体と心を、星空の夜風のように通り過ぎる。