クライヴが婚約したわ
クライヴが婚約した。モーリスの妹と、いう話もあっただけに、モーリスは妹を気遣います。
モーリスにはクライヴと家ごと、家族ごと引き離される気がしたでしょう。
ほどなく婚約を知らせる電話がクライヴから。
「アンと代わるよ」
電話に出た婚約者アンは育ちのいいお嬢さんそのもの。
はにかんで「あなたは電話で話す、クライヴの8番目のお友だちよ」
8番目! モーリスはまたショック。せめていちばんに知らせる気はなかったのか。
俺に出会って目覚めたのは、何だった。
人をバカにする方法か。でもクライヴはお坊ちゃんそのもの、
屈託なく「遊びに来いよ。9月ならクリケットが楽しめる」
とことん、なすすべがない。モーリスの疎外感と孤独感は深まります。