「待って…どうも」

「待って…どうも」

 

コーキーとヴァイオレットの出会いは豪華なマンションのエレベーターです。

扉が閉まりかけたとき「待って」と声がかかる。

コーキーが待ってやる。

シーザーと一緒に入ってきたヴァイオレットが「どうも」

カメラは三人の位置を上から写します。シーザーが扉の前、女二人が

背後の両脇。つまり、シーザーの見えない位置で女たちが交わす視線は絶妙。

コーキーは汚い作業着、ヴァイオレットは黒いストッキングのドレス。

ジーナ・ガーションの射抜くような目と、ジェニファー・ティリーの

絡め取るような目。それをウォシャウスキーはドアップで撮ります。

始めからドラマティックな予感にやられる。

 

(「バウンド」 )

 

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